プロポリスは外敵から巣を守る
プロポリスには外敵から蜂たちの巣を守る役割があります。
プロポリスは樹液や花粉といった植物由来の原料と、蜂の分泌物によって生成される粘性のある物質です。
蜂ヤニともいいます。
主には蜂の巣の壊れかけた部分の修理や、もろい部分の補強に利用されています。
また抗菌作用が強いため巣を清潔に保つ役割もあります。
しかしそれ以外に、冒頭でご紹介したような「外敵」から巣を守る機能も備えているのです。
均等な大きさの巣穴が整然と並んだ蜂の巣は、イメージしやすいと思います。
巣穴の入り口には、プロポリスが何層にも塗り重ねられており、蜂がやっと出入りできるくらいの小ささまで穴が縮められています。
それはなぜかといえば、入口を小さくすることで、外敵が巣の内部にまで侵入してくることを防ぐためです。
少なくとも、蜂自体より大きな外敵が入り込んでくる確率はぐんと減るのです。
しかし防犯を施していても、外敵が攻め入ってくることがないわけではありません。
侵入者が現れた場合、蜂たちは集団で襲い掛かることで、侵入者を撃退します。
侵入者が逃げ出せばいいですが、そうでない場合は巣穴の中で殺してしまうことになります。
相手が小さければ運んで巣穴から放り出せばいいのですが、侵入者が大きいと、簡単に排除することができなくなります。
長く死骸が放置されればやがて腐敗が始まり、せっかくプロポリスで保っていた巣の清潔さが失われてしまいます。
数万という単位で集団生活を送る蜂たちにとって、巣が不潔になることは大問題です。
そんなとき、利用されるのもプロポリスなのです。
蜂たちは腐敗が始まる前に、侵入者の死骸をプロポリスで覆いつくし、固めてしまうのです。
プリポリスは抗菌作用が高いうえに、覆いつくすことで酸素にも触れなくなるので、侵入者の死骸は腐ることなく死んだ直後の状態がキープされます。
死骸の腐敗を食い止めることで、腐敗が巣に感染するのを食い止めることができるのです。
侵入を食い止める、侵入者の腐敗を留める。
これらの役割を担うことで、プロポリスは外敵から巣を守っているのです。